移動平均線(MA)は、FXの世界で“最も地味なのに、最も使われている指標”だ。派手さはない。複雑でもない。だけど、プロも個人も、結局この線に戻ってくる。なぜかというと、移動平均線は「相場の空気」を数字で見せてくれるからだ。チャートのノイズを消し、トレンドの方向を静かに教えてくれる。まるで、ざわつく人混みの中で、ひとりだけ落ち着いた声で「今は上だよ」「そろそろ下だよ」と囁いてくれる案内人のような存在だ。
移動平均線の面白さは、その“シンプルさの中にある深さ”だ。たとえば、価格がMAの上にあるときは上昇トレンド、下にあるときは下降トレンド。これだけで、初心者が最も苦手とする「今は買いか売りか?」の判断が一気にクリアになる。さらに、短期線と長期線のクロスは、相場の転換点を教えてくれる。ゴールデンクロス、デッドクロス──名前だけ聞くと必殺技みたいだが、実際は「勢いが変わったよ」というシンプルなサインだ。

コメント