宇宙をどれだけ細かく分解していっても、最後には「これ以上分けられない最小の部品」に行き着く。その部品こそが素粒子であり、それらの動きをまとめた“宇宙の取扱説明書”が標準模型だ。私たちの身体も、空気も、星も、光も、すべてはこの小さな粒たちの組み合わせでできている。まるでレゴブロックのように、限られた種類のパーツから無限の世界が組み立てられている。標準模型は、そのレゴの全パーツ一覧と、組み立て方のルールをまとめたものだ。
素粒子の世界が面白いのは、そこに“常識が通用しない”ことだ。電子は粒のようでありながら波でもあり、クォークは単体では存在できず、光は質量ゼロなのに押す力を持つ。さらに、素粒子同士は「力の粒」でやり取りをしている。電磁気力は光子、弱い力はW・Zボソン、強い力はグルーオン。つまり、力とは“見えない粒の交換”にすぎない。あなたが机を押すとき、机とあなたの手の間では無数の光子が飛び交っている。世界は静かに見えて、実は粒の嵐の中にある。

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