重力

重力は、世界でいちばん当たり前で、いちばん不思議な力だ。あなたが地面に立っていられるのも、コーヒーがカップに留まっているのも、月が地球の周りを回っているのも、全部重力のおかげだ。でも、重力とは何かと聞かれると、多くの人は「引っ張る力」と答える。実はそれ、半分正しくて半分間違っている。アインシュタインが一般相対性理論で示したのは、重力とは“引っ張る力”ではなく、“空間そのものの歪み”だということ。質量を持つものは空間をへこませ、そのへこみに他の物体が落ちていく。つまり、あなたが地面に引っ張られているのではなく、地球が作った“空間の坂道”を転がり落ちているだけだ。

この考え方を知ると、世界の見え方が一気に変わる。たとえば、太陽の周りを地球が回っているのは、太陽が地球を引っ張っているからではない。太陽が空間を深くへこませ、そのへこみに沿って地球が滑っているだけ。まるで巨大なトランポリンの上にボウリング球を置いたようなものだ。光ですらこのへこみに沿って曲がる。だから、重力は“力”というより“空間の地形”に近い。宇宙は、見えない地形の上で物体が動く壮大なフィールドだ。

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