人間の脳は、世界をそのまま見ているようで、実はかなり勝手に編集している。膨大な情報を一つひとつ丁寧に処理していたら、脳はすぐにオーバーヒートしてしまう。だから脳は、判断を早くするために“ショートカット”を使う。便利なときもあるが、時にその近道がゆがんだ結論を生む。これが認知バイアスだ。つまり、認知バイアスは「脳の省エネモードの副作用」でもある。
面白いのは、認知バイアスが“欠陥”ではなく“生存戦略”として進化したということだ。原始時代、草むらでガサッと音がしたとき、「風かな?動物かな?危険かな?」と冷静に分析していたら、捕食者に食べられていたかもしれない。だから脳は「危険だ!」と即断するように進化した。素早い判断は命を守るための武器だった。その名残が、現代の私たちの思考にも残っている。

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