宇宙は、止まったことがない。138億年前に始まった膨張は、今この瞬間も続いていて、あなたがこの文章を読んでいる間にも、銀河と銀河の間の距離は静かに伸びている。しかも、ただ広がっているだけではない。宇宙は“加速しながら”膨張している。まるで誰かがアクセルを踏み続けているかのように、スピードはどんどん上がっている。これは爆発ではなく、空間そのものが伸びている現象だ。風船の表面に描いた点が、風船が膨らむにつれて離れていくように、銀河同士は動いているのではなく、空間が伸びているから離れていく。
この事実の面白さは、「宇宙には中心がない」ということだ。どこを見ても、遠くの銀河は遠ざかっていく。あなたが宇宙のどこにいても同じように見える。つまり、宇宙は“どこから見ても中心に見える構造”をしている。これは直感に反するが、宇宙全体が均一に膨張しているからこそ起きる現象だ。宇宙は巨大な風船であり、私たちはその表面に貼り付いた点にすぎない。中心は風船の内部にあるが、私たちが住んでいるのは表面なので、どこから見ても中心が見えない。

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