宇宙は、最初から広かったわけではない。むしろ、すべては“どこでもない一点”に押し込められていた。そこには空間も時間もなく、上下も左右もなく、ただ「存在のすべて」が詰まった状態があった。それが約138億年前、突然ふくらみ始めた。この膨張こそがビッグバンであり、宇宙の始まりだ。爆発ではない。何かが外に飛び散ったのではなく、“空間そのものが伸び始めた”のだ。まるで風船が膨らむように、空間が広がり、時間が流れ始め、物質が生まれ、星が生まれ、そしてあなたが存在する未来へとつながっていく。
ビッグバンの面白さは、「宇宙は始まりを持つ」という事実だけではない。むしろ、その後の展開がドラマチックすぎる。最初の1秒の間に、宇宙はとんでもないスピードで膨張し、温度は10の32乗度という想像を超えた熱さだった。そこから急激に冷え、エネルギーが粒子に変わり、粒子が原子に変わり、原子が星を作り、星の中で重い元素が生まれ、それが集まって惑星になり、生命になり、意識になり、あなたになった。つまり、あなたの身体を作る炭素や酸素や鉄は、すべて星の中で作られた“星のかけら”だ。ビッグバンは、あなたの物語の最初のページでもある。

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